過去にブログに掲載したものを編集したものです。
■PERとは
株式指標において、最もポピュラーなのがPERだと思う。その次がPBR。
私が始めて株を買った時はこの2つをまず最初に見てました。
で、今日はPERについて。(株初心者用に書いているので、あしからず。)
野村證券の用語集には次のように書かれています。
PER(Price Earnings Ratio)株価収益率[かぶかしゅうえきりつ]
株価と企業の収益力を比較することによって株式の投資価値を判断する際に利用される尺度である。
株価が500円で、一株当たり利益が50円ならば、株価収益率は10倍である。
引用:http://www.nomura.co.jp/terms/english/p/per.html
上記の説明通り、株価をEPS(一株当たりの利益)で割った倍率である。
このPERについては15倍以下は割安とか、IT関連は成長性が高いのでPERが100倍が妥当とか、
見たことあると思います。
低PER株に投資をすれば平均リターンは市場平均を上回るといったデータがあります。
確かに、それが安全でリターンが高くなるだろうと個人的には同意します。
ただ、単純にこのPERの指標を信用して投資をしてはいけません。
■PERの中身
株価が500円、EPSが50円でPER10倍。一見、割安です。
でも、EPSの中身まで見ないと本当に割安かは分かりません。
EPSは純利益を発行済み株式数で割ったものです。その期の純利益が本業でほとんど稼いだ利益か、
それとも一時的なものかが重要になります。
EPSの50円のうち、そのほとんどの利益が本業からのものであれば、OK。
50円のうち、40円が一時的なもの(例えば、有価証券の売却益等)であると、どうでしょう?
その会社の事業からは実質10円の利益しか出せていないことになります。
ということは、実質的には500/10=50倍。その期は一時的な有価証券の売却益等によって
利益が多かっただけに過ぎないということになります。
逆に、EPSが10円だった場合、その中身を見てみると、減損会計によって利益が下がっているだけかも
しれません。あるいは、のれん代の一括償却等。
要は利益の中身を見ないと、PERが高いか低いかなんて分からないということです。
最近(注:2006年5月14日現在)、ジェイ・ブリッジが下方修正をしました。
純利益 7,600百万円 → 2,400百万円
この会社はだめな(?)会社に投資をして再生・価値向上をさせた後にその会社の株を売却して
儲けているっていう感じの会社なのですが、ライブドアショック以降の市況悪化によって、
株式評価益及び売却益が大幅に減少しました。
修正前のPERは約7倍。修正後は約21倍。割安感が一気になくなりました。
おそらく、月曜日から暴落すると思いますが(注:2006年5月14日現在)、その会社の利益の源泉が何かを
しっかりと見極めて投資をすることが大事になります。
PERが低いからといって、割安だとは限りません。しっかりと利益の中身を見ましょう。
それが出来たら利益を生み出す事業構造を見ましょう。
■益回りとPER
株を始めたばかりの人が最初に知る指標がPERだと思います。
現在の株価はEPS(1株当たりの利益)の何倍だよって言われてもピンとこないかもしれませんが、
PERの逆数である益回りで表示するとすんなり分かるかもしれません。
PER=株価/EPS
益回り=EPS/株価
になります。
株価が1,000円でEPSが50円だと、PER20倍、益回りは5%ということになります。
PERで見ると、投資資金を20年で回収できるという見方になりますが、益回りで見ると、
1,000円で1年に50円を稼いでくれる。つまり、5%の利回りがあるという見方になります。
成長性があるからPERは100倍でも妥当だというのを見ますが、益回りで見ると、1%になります。
リスクをとって、1%の利回りであなたは納得ですか?
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